最近の産婦人科外来でのお問い合わせNo1といえば、
”子どもが新型インフルエンザにかかったんですがどうしたらいいですか?”
この質問を聞かない日はありません(^^;
大抵の場合は、お子さんが新型インフルエンザと診断された先の内科で、妊娠中であることを伝えれば、タミフルを予防投与してくれることがほとんどでしょう。
タ
ミフルの添付文書には、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するこ
と。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]」と記されています。
では、有益性が危険性を上回るとはどう考えるかということなのですが、
アメリカのCDC=疾病対策センターは、妊娠中の女性は、通常のインフルエンザと同様に新型のインフルエンザでも重症になるおそれがあり、ぜんそくなどの病気がある場合には、特にリスクが高いとしています。
CDCは、妊娠中の女性に対する抗ウイルス薬の効果や副作用について、情報は少ないが、新型のウイルスに感染したか、感染の疑いがある場合には、症状が出
てから48時間以内に抗ウイルス薬の投与を始め、5日間続けるべきだとしています。さらに、感染の疑いがある人と接した場合にも、10日間予防的に服用す
るべきだとしています。
こ
れについて、日本産科婦人科学会の周産期委員会の副委員長で、北里大学医学部の海野信也教授は「妊娠中は免疫の機能が低下するなどの変化があるため、新型
に限らず、インフルエンザに感染すると重症になりやすく、注意が必要だ。いちばん大切なのは感染しないようにすることで、ふだんのインフルエンザ対策と同
じように予防に努めてほしい。抗ウイルス薬については、赤ちゃんへの影響よりも、インフルエンザの症状が重くなることのほうが問題なので、薬を処方された
ら心配せずに飲んでほしい」と話しています。
(NHKニュース、2009年5月15日19時33分)
【ワシントン小松健一】米疾病対策センター(CDC)のシュカット博士は12日、記者会見し、新型インフルエンザの症例分析から「妊娠中の女性が感染すれば、肺炎などの合併症を引き起こす可能性が高い」と指摘した。
(毎日新聞、2009年5月13日)
ということで、基本的には”タミフルを予防的に内服してもいいですか?”と聞かれれば、”はい、大丈夫です”とお答えしています。
しかし、その副作用については情報が少なくわからないのです。
とはいえ、インフルエンザは飛沫感染といってくしゃみや咳によって感染しますので、子どもや家族がインフルエンザにかかってしまうとかなり高い確率で感染はしてしまいます。
そのことを考えると一旦患者が出てしまった上で予防的に手洗い、うがい、マスクをしたとしても感染から免れることはかなり難しいので、予防的に内服はしたほうがいいだろうということなんです。
一方、もうひとつ話題になっているのが、インフルエンザワクチン
予防接種するワクチンには、病原性を弱めたウイルスや細菌などをワクチンにした「生ワクチン」と、培養したウイルスや細菌などを精製してホルマリン処理などをして病原体を無毒化した「不活性化ワクチン」があります。
インフルエンザワクチンは「不活性化ワクチン」のため、妊娠の接種は安全と考えられています。わたしの病院では、妊娠14週以降であれば接種可能です。
とはいえ、今はまだ季節性のインフルエンザワクチンしか扱っておらず、新型インフルエンザワクチンは11月上旬の予定と今日は言われました。
こ
の新型インフルエンザワクチンに関しては、カンブリア宮殿で取り上げられていましたが、日本では生産がおいつかず、輸入に関しても出遅れたため、輸入され
るワクチンは国産と同じ製法のワクチンならではなく、違う製法で作っているものであることが判明したといっていました。このため、安全性に関して情報がな
く充分に検証する必要があるとのことです。
これからインフルエンザが流行する冬の季節にかけて、妊婦さんは不安が絶えないところだとは思いますが、まずできることとしては手洗い、うがい、マスク。そして、人ごみをさけること、規則正しい生活を心がけて、免疫力を高くKEEPすることを心がけてください。
そのこと自体は、いずれにせよママにとっても赤ちゃんにとっても◎
なので。
☆関連記事☆
【0910/192:新型インフルエンザ】妊婦らの接種予約開始/新型 ..
新型インフルエンザ対策の達人 添付文書「妊婦ダメ」削除
新型インフルエンザ対策について現場から情報発信するブログです。 今の日本の新型インフルエンザ対策は間違っており、日本国民一人一人が日頃から手洗い・咳エチケットを心がけることにより、最悪の事態は絶対避けられることを知るべきです。
新型インフルエンザ最新の情報! ! - 緑川鷲羽 上杉奇兵隊日記,<第二章慟哭>
インフルエンザワクチン接種のプライオリティ(優先順位)は医療従事者、妊婦、乳幼児、ぜんそく糖尿病患者、小児、高齢者の順位です。また新型インフルエンザワクチン(6000円から8000円くらい)ですけど妊婦や乳幼児が優先されるそうです。 ...
新型インフルエンザワクチン:「妊婦への安全性は確立していない」と ...
妊婦とインフルエンザワクチン 医知場バックヤード/ウェブリブログ
ある産婦人科医のひとりごと: 新型インフルエンザワクチン 1回接種 ...
新型インフルエンザの予防接種が19日、医療従事者を対象に始まった。11月以降、妊婦や基礎疾患のある人、小児らに順次接種される。対象者は計5400万人。7月以降の新型インフルエンザ感染者は推計234万人に上っており、流行の本格化に備え、 ...
新型インフルエンザワクチン 13歳未満・妊婦は2回、医療従事者は1 ...
医師の一分の新型インフルエンザワクチン 13歳未満・妊婦は2回、医療従事者は1回接種に関する詳細記事。(Powered by BIGLOBEウェブリブログ)
新型インフルエンザ対策マスク販売 : 妊婦への使用制限を撤廃 ...
インフルエンザワクチンを妊婦には原則的に使用しないとしてきたこれまでの添付文書を改訂し、使用制限を撤廃することを決めた。 ワクチンを接種しても妊婦や新生児への影響は認められなかったとの国内外のデータを基に、同省薬事・食品衛生審議会の安全 新型インフルエンザワクチンに関して(妊婦さんに関して) - ひきた ...